日刊工業新聞 2008年(平成20年) 4月 21日(月曜日)

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著者登場 「内藤 牧男」

「究極の粉をつくる 次世代モノづくり発展の鍵」(日刊工業新聞社刊)

      自分の使える知識を得よ

-いわゆるハウツー本ではないですね。

「ある程度までは経験的にモノをつくることでも通用する。技術相談に来た人と話をしていると、粉の基本的なことを知らない人が多い。うまく使いこなすには、粉の持つ特性や基本的な事を知る必要がある。粉をつくって、使うための基本的な事をいくつか取り上げ、粉にどのようにアプローチするかの考え方やヒントを提示しようと考えた。粉は多くの産業で素材として使われており、モノづくりにも役立つ。」

-基礎からトラブル対策まで、粉体関連の本は多くあります。

「インターネットを使えば情報や知識の量は爆発的に増えるし、関連本も多くある。ただ、情報が多すぎて、何が本当なのか分からなくなる場合もある。粉体のトラブル対策の本で取り上げられている内容は分かる。ただ、粉に無数にある変数のいくつかの出来事なので、知識は増えても応用できないことも多い」
「粉体の基礎では、理論的な式も並んでいる。たとえば付着力の式があっても粒子がどれくらいくっつきやすいか、粉がどういうものかはまず類推できない。基礎的な知識は増えるが、粉をどう認識したらよいか、アプローチの仕方は分からない」

-モノづくりに役立つわけですね。

「体系だった数学とか物理とは異なり、粉体工学は体系が見いだしにくく、経験やノウハウが重要視されてきた。確かに粉の変数は多いが、理論的に体系だてて考えれば、やってはいけない方向は定められる。研究開発の範囲を360度から120度に狭められれば、開発速度は高まる。企業にとっては重要なことだ。方向性があれば何かが起こった時に対症療法的にならずに済む」

-どのように活用してほしいですか。

「粉の研究に携わる学生や現場の技術者に読んでもらい、考え方を身につけた後に、専門書やノウハウ本といった、膨大な知識を、活用してもらえばいい。断片的な知識を自分の使える知識にして欲しい」